見慣れた仕事風景を「魅せる」社史に。
設立50周年を彩る一大プロジェクトで
会社の魅力を再発見。

東京都港区新橋に本社を構える関東コーワさま。設立50周年を機に社史プロジェクトが発足し、LENS ASSOCIATES(以下 LENS)を含む数社の提案のなかからLENSを選んでいただきました。

約1年の制作期間を経て完成した社史は、ほぼ全編を撮り下ろしの写真で見せる大胆な構成に。仕事内容をイラストとストーリーで伝える絵本と併せて、記念式典の場で全従業員に配布されました。

LENSの仕事をご評価いただき、現在は新たに採用ツールのプロジェクトも進行中。今回は、関東コーワさまとLENSが出会うきっかけとなった社史プロジェクトについて振り返ります。

(画面中央段左)関東コーワ 総務課課長 石川勲さん、(画面中央段中)総務課 中島聡美さん、(画面中央段右)総務課  樋口杏奈さん、(テーブル左)ディレクター 井戸田莉菜、(テーブル右奥)アートディレクター 和田尚樹、(テーブル右手前)アートディレクター 三浦保高

「普通ではない社史」をつくりたい、との思いからスタート

井戸田:複数社の提案のなかからLENSを選んでいただきましたが、決め手はなんだったんでしょうか。

石川さん(以下 石川):実は弊社には写真での記録がほとんど残っていないんですね。ですので、当初より「いわゆる一般的な社史のように、会社の歴史を写真で見せるといった手法は難しい」と各社にお伝えしていました。そうしたなか、一番おもしろい提案をしてくれたのがLENSさんでした。

中島さん(以下 中島):写真を主体とした社史と、仕事内容をストーリーで伝える絵本とのセットでの提案はわたしたちにとっては非常に斬新で、50周年の節目におこなうチャレンジとしてはとてもおもしろそうだなと感じました。

三浦:提案時はちょうど、LENS内で制作を進めていたVISUALIZEbook®が完成し、社外から高い評価をいただいたころ。VISUALIZEbook®は「社員の行動指針を確立し、意思疎通を図ること」を目的として考案した媒体ですが、関東コーワさんのお話をいただいた際、社史にはVISUALIZEbook®で培った内容がマッチするのではないかと考えました。

LENSのVISUALIZEbook®。

三浦:また、オリエンテーションの段階から、石川さんが「おもしろいことをやりたい」「家族に仕事や会社のことが伝わるようなものをつくりたい」とおっしゃっていたのが印象的でした。意見交換の際に出たアイデアは「おしごと図鑑」のような内容だったのですが、その後会社に持ち帰りLENSメンバーとブレストを重ね、絵本というカタチに。よりイメージが伝わるようにとコピーライターの古屋にも協力してもらい、全体のストーリーをつくったうえで提案に臨みました。

石川:ビルメンテナンスって、どういう仕事なのかご家族には見えづらい部分があるんですよね。子どもから見て「お父さんの仕事って何なんだろう」と思われている従業員が多いと思うので、50周年を機にそのあたりもフォローできたらいいなと思っていました。他社さんのツールで、自社の仕事内容を図鑑風に紹介している媒体を見かけ、「こんな見せ方はできないだろうか」と相談した経緯があります。

樋口さん(以下 樋口):LENSさんからの提案を聞いて「おもしろそう!」とは思ったものの、実際にはどうなるんだろうという不安も少しありました。でも、だんだんと完成形に近づいてくるにつれ、すごくいい仕上がりで驚きました。

中島:社史も含めて、裏テーマが「アンサングヒーロー(知られざるヒーロー)」なんですよね。そのテーマを踏まえたうえで、子どもがヒーローに憧れるまでの流れや仕事内容がきちんとストーリーになっていてとてもよかったです。

社史と並行して制作した絵本。仕事内容をイラストとストーリーで表現

三浦:「ご家族に向けた媒体」との目的でスタートしたこともあり、巻末にご家族からの手紙を掲載してはどうかと提案させていただきました。多くの方々にご苦労をおかけしたかと思いますが、このようにカタチになって我々としても感無量です。ありがとうございます。

中島:大変ではありましたけど、制作中はなんだかお祭りのようで楽しかったです。ご家族とコミュニケーションを図る機会はあまりないので、わたしたちとしてもいい経験になりました。みんなも喜びやうれしさを噛み締めてくれていたらいいなと思っています。

インタビューや撮影を通じて、会社の歴史や魅力を再発見

井戸田:関東コーワさんのお仕事の特性上、撮影の許可を取るのは大変だったのではないでしょうか。

中島:たしかに新しい試みでしたね。どのお取引先さまも、ビルメンテナンスで立ち入るエリアは外部には発信していないことが多いので大丈夫かなと思っていたのですが、「50周年の記念誌をつくっているのでぜひ撮影させてほしい」と依頼したら快諾してくださるお客さまばかりで、本当に感謝しています。

協力 瑞聖寺

三浦:普段目にすることがない場所ばかりだったので、どの撮影も非常に楽しかったです。なかでも特に印象に残っているのは某有名大学の地下ですね。そのままでもものすごくかっこいいんですが、写真におさめるとさらにかっこよさが増してテンションが上がりました。

樋口:これまでにもいくつかの現場を見学したことはありましたが、上がってきた写真を見て「こんなにきれいに撮ってもらえるなんて…!」と感動しました。

また、インタビューに同席させていただく機会も多く、興味深い話をたくさん聞くことができました。改めて、会社の歴史や深い部分を知るきっかけになったと思います。

中島:わたしは特に、役員やOBを招いての座談会が思い出に残っています。みなさんそれぞれに会社への思い入れが強く、話が広がりすぎてしまったり、思い出話で盛り上がったり…もちろん、座談会そのものはかなり楽しかったんですけどね!LENSさんから上がってきた原稿を見て「さすがだな」「すごいな」という感想しかなかったです。ありがとうございます。

石川:急遽、ビルメンテナンス議員連盟の会長である橋本聖子議員と弊社社長の対談が決まったときもご苦労をおかけしたと思います。企画の決定から取材までの日程もタイトでしたが、迅速にご対応いただき感謝しています。できあがったものを見てみると非常に記念誌らしい企画として着地しましたし、実現してよかったです。

あと、個人的に印象に残っているのは社長の撮影シーンです。すごくかっこいい1枚になりましたね。

三浦:社長を撮影する際、石川さんがずっと社長に絡んでいたのがとてもおもしろかったです(笑)。本当に仲がいいですよね!

石川:14年近く一緒に働いているので…弊社の社長はどんなときも真剣に取り組んでくれるので、こちらとしてはとてもありがたいです。

和田:現場撮影の段取りはもちろんのこと、社長さまや役員のみなさん、OBの方々への連絡など大変なことも多かったかと思います。終始スムーズに進行できたのは御三方のおかげだと感謝しています。

石川:いえとんでもない。想定していたお客さまの撮影ができなくなったときは、本当にどうしようかと思いました。

三浦:ぜんぜん気にしないでください!どの案件でもけっこうある話です(笑)

普段の仕事風景が、こんなにかっこいいビジュアルになるなんて

井戸田:今回のプロジェクトを振り返ってみて、いかがでしょうか。

石川:まずは社長が喜んでいるのを見て、つくってよかったなと。取引先にもたくさん配ってくれたようで、うれしいですね。

中島:OBを含め、制作にかかわってくれた人たちはすごく楽しんでくれていましたね。ほかの従業員も、普段の仕事現場がこんなにかっこいいビジュアルになるんだという驚きを持って見てくれていると思います。

和田:個人的な感想になってしまうんですが、僕にとってはかなり自身の力を伸ばすことができたプロジェクトだったと感じています。僕は主に制作の進行管理と制作物全体のデザインを担当していたのですが、毎週の定例会議に向けた準備だったり、イレギュラーなことが起きた際の調整だったりと、制作期間中は毎日ずっとバタバタしていたなと…(苦笑)。みなさんからの毎週のフィードバックは、改めて自分の仕事に向き合う機会にもなりましたし、大きなプロジェクトを進行するコツをつかめたように思います。本当は撮影にも同行したかったのですが叶わず…それだけが今も少し心残りです。

三浦:和田家にちょうど双子ちゃんが生まれたからね。しかたないね!

井戸田:しかたないですね(笑)

最後に、LENSのへの評価やアドバイスをお願いしてもいいでしょうか。

石川:なんだろう。評価してるところはいっぱいあるけど…残念な点は、会社の場所が遠いところくらいかな(笑)

でも正直、東京と名古屋という遠距離の相手と仕事をしたのは初めてだったので、制作がスタートする前は大丈夫かなという気持ちもありました。でも今はもう、その距離感が気にならないくらい満足しています。

樋口:終わってみると、長かったようで、意外とタイトなスケジュールで進行していたんだなと実感しています。ですのでやはり、何の問題もなく最後までスムーズに進めていただけたのはすごくありがたかったですね。

中島:まずはこちらが不慣れななか、クオリティの高いものをつくってくれてありがとうございますという気持ちです。また、当初から希望していた以上に「他にはない社史」ができたと感じています。「読ませる」というより「見せる」「魅せる」という発信はこれまでなかった切り口ですし、会社の魅力を社内外に知ってもらうきっかけにもなったんじゃないかなと思っています。

和田:うれしい感想をありがとうございます。今ちょうど手掛けている採用ツールをはじめ、今後もさまざまな提案をさせていただけたらうれしいです。引き続きよろしくお願いします!